『NHKに言いたい』に言いたい
この手の番組を滅多に見ない私が、『NHKに言いたい』を最初から最後まで見てしまいました。
見るからには、何かがあるのでは?という期待を持って見ていたのですが・・・・・・。
以下は、私が今日の『NHKに言いたい』を見終えての雑感です。
◎討論のパネリストであった鳥越俊太郎さんから番組冒頭と最後に発せられ、
視聴者からの意見の中にもあった“ガス抜き”という言葉。
今日の番組は、結局その“ガス抜き”にしかならなかったという感想を持ちました。
↓の毎日新聞記事の立教大・服部教授のコメントのように「ガス抜きにもならなかった」という意見もあるようですが。
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/tv/news/20041220k0000m040085000c.html
◎私が今日の番組に期待していた事、それは海老沢会長から謝罪の言葉や弁明の他に、
いつ、何を、どのように実施するのか、という具体的な考えが聞ける事でした。
しかし、番組中、具体的な話が語られる事は一切無く、
似たような謝罪と弁明の言葉を、言い回しや単語を代えて繰り返すばかり。
事前にプログラミングされた言葉を繰り返すだけであれば、電車の自動アナウンスでもできますし、
電車の自動アナウンスの方が、よほど有益で気の利いた事を言ってくれますって。
しかも、カメラの前の視聴者に向けて謝罪や弁明を行っているはずなのに、
海老沢会長はカメラに一切目線を向けていないに等しい状態でした。
間接的にでも、視聴者と目線を合わせて訴えかけようとしない=誠意が無い
と私は感じたのですが、いかがでしょうか?
↓の朝日新聞記事の田原総一朗さんのコメントのように、「会長のCM」と言われても仕方がありません。
http://www.asahi.com/national/update/1219/019.html
◎そんな今日の番組でも、2つ収穫があったと思います。
1つは、海老沢会長が“反NHK”的な立場を取る人々から直接批判を受け、
それを公共の電波を使って全国に放映するという機会が出来た事。
もう1つは、出演していたNHK経営委員の人が、自ら“組織(経営委員会)の限界”を口にした事。
いくら非常勤とは言え、NHKの運営に関わっている人物からもこのような意見が出ている以上、
全体的な組織改革の必要性を、NHK関係者の方は感じたのではないでしょうか?
今日の番組の初めの方で説明があった、チーフプロデューサーによるキックバック事件でも、
途中で2つの部署を経由して、不正な支出のチェックを行っていたにも関わらず、
何年もの間、不正を見抜く事が出来なかった訳ですし。
◎ただ、2時間15分という時間は、1つの番組としては長い時間を取っているのですが、
今回のように、様々な意味で特別な番組の時間としては短すぎです。
『紅白歌合戦』と同じように、『ニュース7』が終わった後の19時30分〜23時45分まで時間を取り、
ゴールデンタイムからロングランで放送を行う位の気概を見せて欲しかった。
視聴者や識者の意見を広く受け付けて、それをNHK改革に生かそうと本当に思うのであれば。