Carry On my way ~The Other Side of "note"~

主に女性アイドルの事を超不定期に徒然なるままに記すブログ

発言の切り取り方

同じ人物の同じ発言でも、受け手によって捉え方が異なるのはよくある話です。
新聞・雑誌の記事やテレビの映像も、書いたり編集したりしているのは人間ですので、
捉え方が異なってくるのは当然の話ではあるのですが、
聞いた話を“報道”として目や耳にする、つまり“又聞き”として見聞きする場合には、
各紙の“意図”という名のフィルターが掛けられているという事を、
情報の受け手である我々は、よく考えなくてはいけません。
いわゆる“メディアリテラシー”というやつですね。
メディアリテラシーについては、はてなキーワードに詳しい解説があります。)


さて、今日のスポーツ紙の記事の中にも、
メディアリテラシーのテキストとなりうる記事が各紙に掲載されていました。
同じ女性が発言した同じコメントが、各紙でどのように取り上げられ、
更にはどのような記者のフィルターが掛けられているかをご紹介いたします。


SANSPO.COMより
  http://www.sanspo.com/geino/top/gt200705/gt2007051304.html

また、俳優、杉浦太陽(26)との結婚、妊娠を発表した辻希美(19)は同チームを休業中。主将の吉澤ひとみ(22)は「初めに聞いたときはびっくり。(モーニング娘。の)同期として不思議」と初コメント。「アイツ(辻)と同じようなのが出てくるのかな。元気な赤ちゃんを産んでほしい」と笑顔でエールを送っていた。


スポニチAnnexより
  http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2007/05/13/04.html

吉澤は13日から身重な辻に代わり舞台「何日君再来〜イツノヒカキミカエル」に出演するが「最後までたくさんの人に心配や迷惑をかけるやつだな」と苦笑い。来年生まれる子供については「アイツみたいな同じようなのが出てくると思う」とうれしそうに話した。


◎スポーツ報知より
  http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070513-OHT1T00052.htm

6日にモーニング娘。を卒業した吉澤ひとみが12日、辻希美の結婚について初めて語った。「最後までたくさんの方に迷惑をかけるヤツだな、と。同期で(モー娘に)入って、不思議なんですけど。大事な命を授かったということは、あいつみたいな同じようなの(子ども)が出て来るんじゃないかな。元気な赤ちゃんを産んで欲しい」とエール。


◎デイリースポーツonlineより
  http://daily.jp/gossip/2007/05/12/0000333516.shtml

「初めて聞いたときはビックリしたけど、最後までたくさんの方に心配や迷惑をかけるヤツだな。大事な命を授かったから、またアイツみたいなのが出てくるんじゃないかなと思う」と同期の親しみか、辻を“アイツ”呼ばわり。


 吉澤は、辻が降板した舞台「何日君再来」に自らのディナーショーを延期して代役出演することに不満を持っていると一部で報じられた。それだけに「アイツ」発言に一瞬、緊張感が漂った。しかし最後は「元気な赤ちゃんを産んでほしい」と笑顔で祝福した。


◎nikkansports.comより
  http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20070513-197942.html

同期ゆえの親しみからか、苦笑を交えつつストレートな表現を連発した。「最後までたくさんのファンの方などにご迷惑を掛けるやつですね」。確かに、辻が降板した舞台「何日君再来」の代役を14日から務めるのは吉沢だった。この舞台のため、24、25日に予定していた吉沢のモー娘卒業ディナーショーは延期になり、不満を漏らしているとも伝えられた。そのためか「新しい命を授かって、あいつみたいな同じようなのが出てくると思う」といった辛らつな言葉も飛び出した。


だが、最後は2万5000人の応募から選ばれた強いきずなを見せ、これまで同様、“お姉ちゃん役”らしく「元気な赤ちゃんを産んで欲しい」と笑顔で締めくくった。


いやぁ〜、元は同じ発言の筈なのに、“祝福ムード”のように感じる記事もあれば、
緊張感を少しばかり臭わせる記事もあり、更には緊張感ありありと感じさせる記事もありと、
同じ人物の同じ発言でも、切り取り方と記者の味付け次第で、
これ程までに印象が異なってくるものなんですね。いやはや、勉強になります。


私としては、これ以上掘り下げて、多くのことは語るのは避けておきますが、
今は昔と違って、インターネットで複数のメディアの情報を一度に手に入れられる、
非常に便利な時代になりましたので、同じスポーツ新聞でも一紙のみではなく、
複数の新聞の記事を読み比べてみることを、皆様にはお勧めいたします。
同じスポーツ新聞というジャンルでも、新聞によって考え方が違い、
それによって、記事の書き方も異なってきて当然なのですから。


要は、我々受け手が、それらの情報をいかに正確に捉えて、
それを受けてどのように振る舞うのか、それが重要なのです。


最後に、はてなキーワードの“メディアリテラシー”から、
「報道に対する十箇条」という記述を転載して、この記事を締めくくりたいと思います。
この日記に何かのきっかけで辿りつかれた方で、
心にグサリと刺さるものがある方、今からでもこの心構えを持つのは遅くない筈ですよ。

報道に対する十箇条
1.情報を流して得する人を考えてみましょう。
2.可能な限り情報のソースを確認しましょう。
3.コメントはその人の意見であって事実ではありません。
4.片寄った意見はなんらかの裏があるはずです。情報だけを見るようにしましょう。
5.2つの意見があるとき、マスコミの誘導に載らない決断力を持ちましょう。
6.雑誌や番組のタイトルや見出しに惑わされず、中身を見るようにしましょう。
7.意見の偏りやその人の専門を見極めるために、情報提供者の名前を覚えるようにしましょう。
8.メディアの人間がアクシデントに対しどんな対応をするか見極めましょう。
9.メディアは知っていることすべてを報道するわけではないことを覚えておきましょう。
10.大勢が判明するまでなにかを語ることは避けましょう。