Carry On my way ~The Other Side of "note"~

主に女性アイドルの事を超不定期に徒然なるままに記すブログ

改めて考えるメディアリテラシー(前編)

以下は、今朝のスポーツ紙(Web版)に掲載された、
ミキティモーニング娘。“自主退学”に関する記事(アドレス)です。


  ◎SANSPO.COM より
    http://www.sanspo.com/geino/top/gt200706/gt2007060202.html
  ◎デイリースポーツonline より
    http://daily.jp/gossip/2007/06/01/0000362948.shtml
  ◎スポーツ報知 より
    http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070602-OHT1T00041.htm
  ◎東京中日スポーツ(TOKYO Web)より
    http://www.tokyo-np.co.jp/tochu/article/entertainment/news/CK2007060202020956.html


以上の4紙は、事実関係のみを記すか、それにプラスして、
今回の事態に至った背景が必要最小限で記されている、
余計な情報が省かれた、良い記事と言えるでしょう。
特に、東京中日スポーツの記事は、

22歳の女性としては普通の恋愛ながら、人気アイドルという立場での判断となったようだ。

という一文によって、ミキティや関係者、更にはファン(ヲタ)の立場や心情にまで踏み込んだ、
非常に良い記事に仕上がっているように感じます。
トーチュウさん、と言うよりも中日スポーツさん、グッジョブ!です。


しかし悲しいかな、これら4紙のように良い記事を掲載したスポーツ紙がある一方で、
案の定、堂々と「クズ記事」を掲載しているスポーツ紙がありました。


  http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2007/06/02/01.html
  http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20070602-207417.html


あえて丁寧に紹介はしません。上のリンク先がスポニチ、下のリンク先が日刊スポーツです。


まずはスポニチから、記事の気になる部分を抜粋。

ただ、熱愛発覚と同時に脱退した矢口と違い、今回は結論まで1週間かかった。もともと藤本はソロ歌手でデビューし、03年1月の加入後もソロ志向は強かった。そして男勝りの勝ち気な性格。熱愛発覚を機に、アイドルとしての今後の立ち位置などを含めて事務所と激論を交わした模様で、アイドルグループの殻が取れた分、いずれ劇的なイメチェンをしてくる可能性はある。

ミキティの性格にまで踏み込んだ上、
あたかも彼女がモーニング娘。を抜けたがっていたかのように思わせ、
更にはタイトルを含めて事務所との不穏な空気を臭わせる、大変巧みな文章構成です(嫌味)
この記事を書いた記者氏は、恐らくまともにモーニング娘。のコンサートを見た事が無く、
周囲の関係者への取材に、ネットで拾った評判を肉付けして、この記事を書き上げたんでしょうね。
まあ、そんな生半可な姿勢で取材・記事執筆をしているからこそ、こんなクズ記事が出来るのですが。*1
最近のモーニング娘。コンサートを少しでもまともに見ていれば、
彼女が如何にグループの他のメンバーと馴染み、楽しみを共有していたかが分かるはずですからね。
まあ、まともに“現場”の様子も知らず、適当な取材で書き上げた記事など、
そのレベルはたかが知れているという好例と言えるでしょう。


続いては、この1ヶ月の間にハロプロ界隈の中では確実に評判を悪くし、
ハロプロにとっては言わば“悪の枢軸”となった、日刊スポーツの記事。
“アンチ・ハロプロ”の急先鋒:日刊スポーツの記事としては、
今回は比較的大人しめではありますが、気になる記述がありました。

藤本は「約束を破った」と話したが、それは事務所側がタレントの交際を認めないことではない。ただ、同グループは未成年者が多いため、年長者は後輩の手本となる姿勢を示すことが、事務所の内規になっている。そのため、深夜に異性と遊んでいることが、リーダーにはふさわしくないと判断された。関係者によると、2人はロンドンブーツ1号2号の田村淳(33)が主催した合コンで知り合ったが、この点も不利な材料となったようだ。

引用部分の3分の2(「判断された」という所まで)の部分は良いとしても、
残り3分の1の情報は、果たして読者が知っておくべき情報なのでしょうか?
事の背景に踏み込むのであれば、先程紹介したトーチュウの記事のレベルで充分。
日刊スポーツは、ハロプロとは関係のない記事でも、
物事の深い所にまで踏み込んだ上で、“正論”をぶつという傾向があるようですが、
個人的には、今回の日刊スポーツの記事は、あまりに深いところまで踏み込んだ、
知る必要がない“蛇足”以外の何物でもないと断じておきます。


今回、悪しき例として挙げたスポニチと日刊スポーツの記事が、
果たしてどのような意図を持って書かれたのかは分かりません。
しかし、あえて“蛇足”とも言える情報を組み込む事で、
我々読者に対して、何らかの“印象操作”を企てている、
具体的に言えば、何らかの意図によって、
ハロプロの印象を悪くする目的で記事を執筆・掲載している、と考える事もできるのです。


ここで、情報の受け手である我々が意識をしたいのが、
以前にも書いた「メディアリテラシー」、情報を読み解く力です。
  ◎Wikipediaより−メディアリテラシー
この、Wikipediaに掲載されている「メディアリテラシー」という項目の中には、
このような記述があります。

受信者の側に立つ人間には、発信された情報を受け取る際、

  • その情報は信頼できるかどうか

を判断する事はもちろんの事、

  • その情報にはどのような偏りがあるか
  • さらに一歩進めて、その情報を発信した側にはどのような意図・目的があるか

(つまり、なぜ、わざわざ、そのような情報を流したのか?なぜ、わざわざ、そのように編集したのか?を考えること。)
等を始め、各種の背景を読み取り、情報の取捨選択を行う能力が求められる。


情報が溢れる今の時代、我々はしっかりと情報を見極める力を持ち、
恣意的に操作された情報によって、不用意に踊らされないようにしなくてはなりません。
そして我々も、メディアをしっかりと監視する必要があるはずです。


今回はゴシップを扱った芸能記事ですが、たかが芸能記事という無かれ。
政治・経済・スポーツに関する情報と同じように、
スポーツ紙というメディアから発せられた情報である事に変わりは無いのですから。

*1:これはあくまでも、私の勝手な推測に基づく意見ですが、事実、その程度のレベルなのではないかと思われます。