Carry On my way ~The Other Side of "note"~

主に女性アイドルの事を超不定期に徒然なるままに記すブログ

映画『フラガール』を観てきました・・・の続き

昨日の日記 の続きです。(昨日も例によって例の如く“寝落ち”をしてしまいましたので・・・。)


その昨日の日記で「実際に作品を観て“感じて”欲しい」と書いたのですが、
これから『フラガール』を観に行かれる方には、ただ単に映像や音楽を見聞きして感じるだけではなく、
少しでも想像力を働かせて観ていただけると、より面白みが増すと思います。


少し“ネタバレ”になってしまうのですが、物語の終盤近くで、
蒼井優さんが富司純子さん演じる母親の前で、激しいフラダンスを踊るシーンがあります。
このシーンでのダンスは、松雪泰子さん演じる先生が、物語の序盤で踊るのと同じフラダンスで、
初めはダンス初心者だった蒼井優さん演じる女の子が、
最後には先生と同じレベルで踊れるようになるという、彼女の成長ぶりを物語るシーンでもあります。
激しいフラダンスの曲をバックに蒼井優さんが踊るシーンは、
本物のダンサーが踊っているかのような迫力があり、観客側がそれに圧倒されてしまうのですが、
蒼井優さん演じる女の子が、一体どんな思いを抱きながら、母親の前でフラダンスを踊っているのか・・・
・・・このシーンに至るまでのストーリーを思い起こしながら、
蒼井さん演じる女の子の思いに想像を巡らせると、ただ迫力に圧倒されるだけではなく、
このシーンをストーリー上でも重要な部分として、奥深く観ることが出来ると思いますよ。


あと、もう1つ注目して欲しいのは、南海キャンディーズしずちゃん
というよりも、この作品的には山崎静代さん*1の演技と存在感です。
もっとも“演技”とは言っても、南海キャンディーズのネタさながらに妙な動きをしたり、
壁に向かって1人でブツブツと話をしていたりと、“しずちゃんワールド”全開(笑)。
そして、ほとんど台詞を発しないシーン*2でも、動いているだけ、はたまた登場するだけで観客の笑いを取れてしまう。
周りの競演陣とは一味以上も違う彼女の存在感というものは、凄い物があると思います。
ただですね、そんな山崎さんにとって、最大の見せ場となるシーンが、中盤〜終盤に掛けて出てきます。
“笑い”とは全く無縁のシーンなのですが、彼女の口から、少々意外とも思える言葉が発せられます。
その言葉の理由は、実際に彼女から語られることはないのですが、
ここでも、先程書いた“想像力”を働かせて彼女の思いを探ると、
恐らく理由が分かるのではないかと思います。


個人的には、映像や音の迫力で“感覚”に訴えかけてくる映画も、
頭の中を空っぽにして、肩が凝ることなく観ることが出来るので好きなのですが、
フラガール』のように、“感覚”だけではなく“感情”にも訴えかけてくる映画も好きです。
そして、恐らく本当の意味での“良い映画”というのは、
押し付けがましくなく、感情に訴えかけてくる映画なのではないかと、この作品を見て感じました。


某映画評論家の方のように「観ない人はバカッ!観なさいっ!」とまでは申しませんが、
フラガール』観て損はしない、良い映画だと思いますよ。

*1:ちなみにエンドロールでは「山崎静代南海キャンディーズしずちゃん)」と非常に丁寧に紹介されています(笑)

*2:彼女が演じる役柄自体、比較的無口なキャラクターなのですが