分度器0°のスタンス

小学校の算数の授業で図形の角度を測るときに使った、分度器という道具がありますよね。
半円形で、真ん中の“0°”を中心に、左右それぞれ最大90°まで目盛りが刻まれている、あの道具です。

最近、特定の分野に限らず、世の中全体の風潮として感じる事なのですが、
分度器の0°ではなく、左右どちらかにある程度傾いた状態で、
物事を考えたり自らの意見を言う人やメディアが、何となく増えたような気がします。

人の考え方や趣味趣向は“十人十色”であるのが当たり前ですし、
他の方がどのような好みや考え方を持っていようと、
それが例え、自らとは全く相容れない、水と油のような関係であっても、
それらについて、それこそ他人である私がとやかく言う権利はありません。*1

しかし、分度器の左右どちらかに傾いた姿勢のままで、
まるでそれが正解であるかの如く、もっともらしい事が書かれている物を読む度に、
私は「何だかなぁ〜」と考えてしまうのです。

分度器が0°の位置を起点として、一方へ45°傾いた位置の物を見る場合、
もう一方へ45°傾いた位置から同じ物を見ると、45°＋45°＝90°傾いた先の物を見る事になります。
一方に傾いたスタンスを取っていると、もう一方の傾きとの角度は自然と大きくなりますが、
そのような状態で物事を見聞きしたり、意見を述べたりする事が、果たして本当に良い事なのでしょうか・・・。
そして、そのような状態で果たしてどの程度、冷静な視点や思考が保てるのでしょうか・・・。

このブログには敢えて書きませんが、私にも内に秘めた考えや好みはあります。
でも、私は可能な限り、分度器0°の位置から物事を見聞きしていきたいと思っています。
世の中のことについても、自らの趣味に関わる事についても。

*1:一般常識や社会通念からあまりに逸脱しているものは、その限りではありませんが。