Carry On my way ~The Other Side of "note"~

主に女性アイドルの事を超不定期に徒然なるままに記すブログ

デジャビュ

この日記で大相撲の事について書くのは、恐らく初めてになると思うのですが、
夜にテレビを見ていて、少し気になることがあったので、その事について書こうと思います。


数日前に、新聞・テレビ等で大々的に報じられていましたが、
日本相撲協会横綱朝青龍関に対して、
2場所出場停止・30%減俸・九州場所千秋楽までの謹慎という処分を下すことを決定しました。
名古屋場所後に、ケガ*1の診断書と共に、夏巡業の休場届を提出しておきながら、
故郷であるモンゴルに帰郷した際に、サッカーに興じていたという行動が、その処分理由とのことですが、
恐らくは、それ以前の数々の“問題行動”も考慮の上で、現役横綱への出場停止という重い処分が下されたのではないでしょうか。


そんな大きな出来事の直後に始まった、大相撲の夏巡業。
今夜、NHKの『ニュース7』で、仙台で行われたという巡業の模様が放送されていました。
かつての相撲ブームの頃は、テレビなどでも巡業の模様を目にする機会が多かったですが、
人気が落ち着いた最近では、巡業の模様などを見る機会が、全くと言って良いほど無くなってしまっていただけに、
今回の一連の出来事をきっかけにして、再びその模様をテレビで目にする事になるとは、何とも皮肉な話です・・・。


その『ニュース7』の中では、今回の一件によって人気・イメージの低下を危惧した主催者側が、
力士との握手会や写真撮影会のようなイベントを設けたり、
琴光喜関と琴欧洲関による、同部屋大関同士の取組を一番設けたりして、
一生懸命に“ファンサービス”を図ろうとする模様が紹介されていました。


今回の一件によって、朝青龍関に対してだけではなく、大相撲そのものに失望したり、憤りを覚えた人もいるでしょうから、
ファンの方々に対する“お詫び”の意味も込めて、このような“ファンサービス”を行ったのでしょうし、
“ファンサービス”を行う事(ファンを大切にしようという心遣い)自体は、とても良いことだと思います。
ただ、問題の張本人である朝青龍関は、今回の一件の有無に関わらず、夏巡業の休場が決まっていた事を考えると、
もし、朝青龍関が無理な運動をせずに大人しくしていたり、サッカーに興じる姿が明るみに出ていなかったとしたら、
果たしてこういった“ファンサービス”をしていたのか、私は大きな疑問を感じています。


ピンチの時に“ファンサービス”を展開・・・私にはその光景が、日本のプロ野球とダブって見えて仕方がありません。
約3年前の“プロ野球争乱期”。球団が合併によって1つ消滅し、それに反発した選手会側が史上初のストを決行。
思えば、プロ野球が球団も選手も“ファンサービス”に本腰を入れ始めたのは、この頃からではないでしょうか。
球場のフェンスを撤去したり、グラウンドとほぼ同じ高さの所に客席を設けたり、
試合後には選手とファンがハイタッチで勝利を分かち合う、とかね。
ただ、球場に足を運ぶファンの人は増えたのかもしれないけれども、
地上波のテレビでは巨人戦でも中継が無かったり、中継をしても放送時間の延長が無かったりと、
全体的なプロ野球の人気は、あまり上がっているようには思えず、むしろ下がっている気がしてなりません。
少し厳しい見方かもしれませんが、それまで“殿様商売”よろしくやってきていたのが、
危機に直面して初めて、掌を返したように“ファンサービス”に熱を入れてたところで、
「時すでに遅し」だったのかもしれません。


大相撲では、年6回の本場所NHKでちゃんと中継してくれている分、まだ安心ではありますが、
一方では、テレビ朝日で放送されていた『大相撲ダイジェスト』が数年前に打ち切られるという、
人気低迷を象徴するかのような出来事も、実際に起こっているのです。
日本相撲協会の方々には、付け焼き刃的なファンサービスでファンを繋ぎ止めようとするだけではなく、
更に先を見据えた、方策の立案と行動を是非ともお願いしたいと思います。

*1:厳密には、腰の疲労骨折と左ひじの靱帯損傷、ということです。