Carry On my way ~The Other Side of "note"~

主に女性アイドルの事を超不定期に徒然なるままに記すブログ

『女子かしまし物語』の少し突っ込んだ感想

今回の新曲に関して、私の感想を一言で言ってしまうと、こういうことです。
 「今のモーニング娘。に必要なのは、こんな曲じゃない!!」
こんな事を書くと「何を馬鹿なことをのたまっているんだ」と言われてしまうかもしれませんが、
私の中では、モーニング娘。というグループは、“アイドルユニット”である以前に“音楽ユニット”なのです。
そもそもモーニング娘。は、今は無きASAYANの『女性ロックボーカリストオーディション』の最終選考まで残ったものの、
あと一歩の所で夢が叶わなかった、プロの歌い手を志す4人の女の子と1人の女性が集まって出来たグループであったはず。
(少なくとも、単なるアイドルグループであったならば、私はきっとこのグループにはそれほど興味を持っていなかったと思います。)
それ故なのでしょうか、娘。が初期にリリースした曲には、シングルのみならずアルバム収録曲にも「おっ」と思わせる曲が多く、
特に2ndアルバムは、かなりのヘビーローテーションで聴いていた時期があったくらいです。
その後は、モーニング娘。を、さらにはハロプロつんく♂氏を取り巻く環境が激変したこともあってなのか、
(ご存じない方のために書きますと、2ndアルバムがリリースされたのは、『LOVEマシーン』のリリース前です。)
何となく“音楽”の部分が(言葉が少々悪いですけど)おざなりになり始めてきた感じを受けていたのは事実なのですが、
それでもなお、アルバムの中には2〜3曲光る作品がありましたし、
シングルに関して言えば、前作の『浪漫 〜MY DEAR BOY〜』までは、
必ずと言っていいほど個人的には「おっ」と思う作品がリリースされていました。


しかし、今回の新曲を今日初めて見聞きしてみても、娘。のシングルでは初めて、そういう感情が湧き上がって来ないんです。
単調なメロディーの繰り返しに、自分たちのことを歌っているのか、世間一般の女性のことを歌っているのかよく分からず、
どっちつかずな印象を受けてしまう、そして、これまではある程度あった、訴えかけてくるものがあまり感じられない歌詞。
曲のコンセプトは、つんく♂氏のコメント(http://www.tsunku.net/morning_musume.htm#mo_23)にまかせるとして、
1ヶ月も経たないうちに加護亜依ちゃん、辻希美ちゃんという2人が抜け、
約半年後にはモーニング娘。に残った最後の創設メンバーである飯田圭織さんが抜け、
約10ヶ月後には石川梨華さんまでもが抜けるという“現実”が突きつけられた、今のこの時期に、
女性の心の叫びを自己紹介チックに楽しくファンキーなサウンドに乗せて歌っている場合なのでしょうか?
しかも、今行われているハロプロコンサートでしか披露できない、期間限定のような歌を歌っている場合なのでしょうか?
(秋の娘。コンサート以降でも、“卒業”したメンバーの部分を飛ばして歌ったり、
 メンバーの成長に合わせて、歌詞を換えて歌うのも面白いかもしれませんけれども。)


ハロー!プロジェクト大百科』という本に載っている、つんく♂氏のインタビューに、
今は亡き音楽評論家・福田一郎氏から受けたアドバイスにとして、こんな一文があります。

モーニング娘。は早くメンバーを卒業することを目標にできる“枠”であった方がいいし、
卒業して終わりではなく、新しい道を歩める存在にしなきゃいけないんだと。

卒業したメンバーが新しい道をしっかりと歩めるようにするためには、
モーニング娘。のメンバーであるうちに、しっかりと実力を蓄えておくことが必要になってくるはず。
つんく♂さん? 果たして、『女子かしまし物語』のような曲で、残されるメンバーの実力が付くのでしょうか?
今ここでは、モーニング娘。が“枠”であるべきか否かについては、あえて触れないでおきますが、
もし“枠”として存在させていくのであれば、メンバーに歌い手としての力が付く曲を作ってください。
もう以前のようにはいかないかもしれないけれども、
モーニング娘。は“音楽ユニット”であることを、今一度、世の中に認知させるような曲を作ってください。
別ユニットの活動が尻つぼみになり、シャッフルユニットも作られなくなった今だからこそ、
(これは、別のハロプロ系グループ、あるいは歌手にも言えることかもしれませんが、)
本来のモーニング娘。の活動というものが、メンバーの為には、これまで以上に重要になってくるはずです。
今のこの時期が、もう一度原点に戻って、モーニング娘。自体の音楽のあり方を見つめ直す、良い機会だと思います。
もう一度、“音楽ユニット”としてのちゃんとした曲を・・・これが、いちモーニング娘。ファンのささやかな、そして切実な願いです。


きっと、何だかんだ言っていても、『女子かしまし物語』のCDを発売日には購入していると思いますので、
あとはこの曲がスルメのように、噛めば噛むほど味が出てくる作品であることを祈っていますが、
今はそれ以上に、次回作を期待して待っています。つんく♂Pの本当の力は、こんなものではないでしょうから・・・・・・。