祈り

今日の会社帰りに、私も“その場所”へ行ってきました。柄にも無く。
“その場所”には、事故の目撃情報提供を呼び掛ける立て看板が設置され、
その傍には、お菓子や飲み物、そして無数の花束が供えられていましたので、
“その場所”を初めて訪れた私にも、すぐに分かりました。
最寄駅から、その、無数の花束が供えられた一角へ渡る横断歩道で、
歩行者用信号がとっくに赤になっているのに、道路を走って横断する人が・・・。
「危ないなぁ・・・。何で？・・・。何をそんなに急ぐのさ・・・。」複雑な心境になる私。
“その場所”に、最寄駅近くのフラワーショップで買った花を供える。
供えられた他の花と見比べて、「少し、見劣りするかなぁ・・・。」と心の中で呟く。
「見た目より、想い、だよな・・・。」と、自分で自分を納得させつつ、花を供える・・・。
無数の花束が供えられた一角に、信号待ちの歩行者のほとんどが目を向けていた。
単に「随分たくさん花が供えられているな。」と思いながらなのかもしれないし、
あるいは、私やそれ以前に花などを供えた方々のように、
この無数の花束の意味を分かっているのかもしれない。
ただ、1人の人命がここで奪われ、未来が絶たれた、その事実だけは変わりません。

“その場所”に花を供えた私は、手を合わせて、心の中で祈りを奉げました。
「どうか、安らかにお眠り下さい。あなたのお姉さんの事は、私もファンとして見守ります。そして、絶対に守りますから！！」
一介のファンに過ぎない自分に出来ることなんて、極々限られてくるのは分かっています。
でも、そんな極々限られた事を、彼女の為に、そして彼女の仲間のために、精一杯しなくては・・・。